| 選定理由 |
夜久野層群下部層の年代を決定する重要なアンモナイト化石である。 |
| 分布 |
ミーコセラスは南部北上山地の大沢層、西南日本外帯四国の田穂層などで産する。また内帯では福本層群で見いだされる。本地域以外の地域では記載されていない。 |
| 特徴（特異性） |
夜久野層群下部の一尾層（中沢・野上、1958）の年代を確定する化石である。中沢・野上によってMeekoceras ? sp.の産出が報告されているが、さらに坂東（1968）によってMeekoceras sp. として確認され、一尾層の年代が三畳紀古世スキチアンであることが明らかになった。小型二枚貝に加えて、地質年代の確定できるアンモナイト化石であり、保存される必要がある。 |
| 現状 |
大江町の由良川左岸河西地域に分布する一尾層は砂岩が優勢であり、この中の微粒砂岩やシルト質頁岩には小型二枚貝が局部的に密集する。ミーコセラスは小原谷の入り口より500mほど入った西側の小谷に分布する頁岩中に見いだされる。谷の中のため露頭状況はよくないが、ほぼ放置された状態にある。 |
| 保存に対する脅威 |
露頭が悪くなっており、埋積されてしまう可能性がある。 |
| 必要な保全対策 |
現状のままであれば、化石含有層がなくなることはないが、山腹の開発などによって、露頭が削り取られることのないようにする必要がある。 |
