選定理由 |
舞鶴層群の最上部を示す化石であり、同時にペレム紀最新世のものとして貴重である。 |
分布 |
ペルム紀最新世の地層およびそれに付随する小型フズリナ化石は九州の秩父帯のペルム系、南部北上産地の登米層に含まれている。また舞鶴帯では兵庫県の三方地方でも見いだされている。舞鶴層群分布域の南翼部には最上部に石灰岩のレンズ状岩体が連なっている。舞鶴市の松尾寺付近から鹿原金剛院、与保呂地域にかけて点在する。 |
特徴(特異性) |
パレオフズリナなどを含む石灰岩はペルム紀新世のフズリナLepidolina kumaensisより古いと考えられていたが、中国のペルム紀最新世のチャンシンジアンに相当することがわかり、舞鶴帯の南翼に分布する舞鶴層群中のパレオフズリナを含む石灰岩はペルム紀最新世のものとわかった(Ishii et al.、 1975)。この石灰岩にはウミユリやコケムシの破片を多量に含むものでPalaeofusulina aff. sinensisやColaniella parva、C. infrata、C. cylindrica、Reicherina sp.などの小型のフズリナを産する。このことからPalaeofusulina aff. sinensis- Colaniella parva化石帯が設定された。北翼の同時代の舞鶴層群は公庄層で二枚貝などを含んでいる。ペルム紀最新世の重要な化石であり、舞鶴層群の上限を示すものとしても貴重である。 |
現状 |
石灰岩体は10から30mの厚さで連続性が悪い。舞鶴市吉坂のものは国道27号線より南側の山腹にあるものと思われ、平地に石灰岩ブロックが転石として見られる。他の地域のものは、小谷の奥や高所にあり、露頭の破壊や消滅などからは守られている。 |
保存に対する脅威 |
国道のいっそうの拡幅や、道路に沿う場所の開発によって露頭が失われる可能性が存在する。 |
必要な保全対策 |
開発にあたっては石灰岩の分布を明らかにした上で、それを避けた部分での開発を進めるようにしなければならない。 |