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トップページ > 自然生態系 > 分科会別の主な現地調査 > 菌類分科会
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菌類分科会
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中丹地域きのこ類調査 -主として大江山を中心として- |
執筆者:吉見 昭一
◎概 要
きのこ類の調査はほとんどが未調査のままであった。調査の比較的進んだ京都市を中心と
する地域も関西菌類談話会やきのこ同好会などによって別個に調査されてきた。
今回のように全種リストを作成し、きのこ類の発生に関して危惧するものの摘出を目的と
する重要な作業に関しては基礎的なことから始めなければならなかった。
京都府を5地域に区分すると、「丹後地域」(日本海海岸地域を含めて丹後半島一帯)は10
年前に「丹後きのこクラブ」を結成し、野外観察と学習会を重ね、協力を依頼して実施した。
「山城地域」では「城陽いきもの調査隊」が設けられて、きのこの野外観察と学習会が活動
し、久田晴生委員が参加されていて、協力を依頼して実施してきた。「中丹地域」は宮津市
の小西思演委員による永年の冬中夏草属、他の研究実績があったが、舞鶴市、大江町、福知
山市方面のきのこ類全般はほとんど未調査のままであった。小西思演委員は綾部市上林川上
流古和木、舞鶴市河辺、福知山市市室、舞鶴市与保呂、加悦町奥滝の山、夜久野町小畑、今
西神社を実地調査をし、大江町は産業課商工観光係 吉田孝広、南部諭氏のご協力を得て実
地調査を実施した。そうして城下萬吉、真下鐵也両氏の協力で「大江山自然愛好会」会員と
共同調査ができた。大江山中心の菌類調査は初めてなので、多くの菌類を対象にして観察し
た。
大江山調査
◎調査方法
大江山を中心としたきのこ類の調査により中丹地域の実態を明らかにする。
きのこ類は四季を通じて発生種が変わる。そのため、宿泊は5回、間は城下、小西の両氏
によって2年間に22回(四季を考慮して)の27回に及ぶ調査となった。前述したように、き
のこ類は10〜20年発見できないまま、突然に発生することがある。中丹地域は今後も継続し
て調査する必要があろう。
大江山調査 ──1
◎調査日: | 平成12(2000)年7月6日〜7日参加者12名 |
◎調査結果: | ◎大江山、鬼嶽稲荷神社周辺から登る。 |
| ミズナラが枯れてシロカワラタケやウスベニウロコタケ、カワウソタケなどの腐生菌、ミズナラ林中でコナサナギタケ、ドクベニタケ、クラガタノボリリュウ、ヒメコンイロイッポンシメジ、シジミタケ、カンゾウタケ、(キヌガサタケ)、ベニチャワンタケ、エビタケなど28種。キヌガサタケは竹林(城下氏) |
| ◎皇太神社、社域調査 |
| クロノボリリュウ、チチタケ、ニオイコベニタケ、オオノウタケ、クリイロイグチ、カワリハツなど48種、巨木のスダジイ美林で共生菌のきのこが多い。大きいムラサキヤマドリタケが出ていた。 |
大江山調査 ──2
◎調査日: | 平成12(2000)年10月26日〜27日参加者20名 |
◎調査結果: | ◎天の岩戸山 |
| ヒメキクラゲ、サマツモドキ、コテングタケモドキ、テングタケ、スッポンタケ、コムラサキシメジなどあり、モエギタケ、スギエダタケ、スギヒラタケが多数群生していた。55種を確認した。 |
| ◎宮津市、天橋立に回り、マツ林地のきのこ調査をする。 |
| ここでのきのこ相の記録がなかった。大型のコツブタケ、ハツタケ、アカハツ、ササクレヒトヨタケ、アイバシロハツ、ツルタケ、キシメジ、アミタケの大発生、タマシロオニタケ、シャカシメジ、ホコリタケ、タヌキノチャブクロ、コニセショウロ、ツルタケなどがあり、マツ枯れは南に多い。20種 |
大江山調査 ──3
◎調査日: | 平成12(2000)年11月13日〜14日参加者15名 |
◎調査結果: | ◎皇太神社、巨木シイ樹林調査参加者15名 |
| ヒメツチグリ、アシボソノボリリュウ、コニセショウロ、ニガクリタケ、アカチシオタケ、コカブイヌシメジ、ドクツルタケなど55種(参加者多数の人が調査に協力して55種)を確認した。 |
| ◎鬼嶽稲荷神社周辺から登る。参加者18名 |
| ツキヨタケ、ハタケシメジ、ヌメリツバタケモドキ、キンチャワンタケ、スギタケ、ツヤウチワタケ、ハイイロクズチャワンタケに似た種など37種を確認した。 |
大江山調査 ──4
◎調査日: | 平成13(2001)年7月14日〜15日 |
◎調査結果: | ◎鬼嶽稲荷神社周辺から登る。参加者14名 |
| ウスキサナギタケ、キソウメンタケ、スッポンタケ、ベニヤマタケなど21種 |
| ◎皇太神社のシイ林内、参道マツ林内 |
| キクバナイグチ、クロハツモドキ、マゴシャクシ、コテングタケ、ウスタケなど24種を確認した。加えて、綾部市よりの参加者がコショウイグチ、サツマモドキなど8種を追加確認した。 |
大江山調査1と4を比較すると、平成12年に発生していたきのこの希菌は平成13年には発
生を見ない。また大江山調査2と3を比較すると1ヶ月で、きのこ相が大きく変化している
ことがわかる。このことは今回の調査を土台に四季を考慮して調べると、より多くのきのこ
の種が判明するだろう。
ついで、佐々木公三氏夫妻の案内で、福知山市天台天寧寺山内の調査に入った。ここでは
希菌、アカダマタケ、シマイヌノエフデを見つけ、重要な分布地に加え、シロハツモドキな
ど8種、さらに山岳地区の巨木シイの根元の竹にヤブニワタケなど3種確認して、今回の調
査方法から地域のきのこ同好者とともに実証することの必要を痛感した。
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執筆者:吉見 昭一
◎調査日
平成13(2001)年7月29日〜30日
◎調査者
菌類分科会の吉見昭一、上田俊穂、久田晴生、小西思演
◎調査結果
マツオウジ、ムラサキヤマドリタケ、ハイカグラテングタケ、カブラテングタケ、ムレオ
オイチョウタケ、シロタマゴテングタケ、ナガエノウラベニイグチなどコナラ、マツ、クヌ
ギの共生菌が多く、健康な樹相であった。エゴノキタケ、ウラギンタケ、シハイタケなどの
腐生菌も多く、オサムシタケ、セミノマユダマタケ、ハナサナギタケなど冬虫夏草属も多く、
約60種を確認した。
宿泊しながら調査をしたが、別個に小西、城下両氏による採集日程、採集きのこ類は次の
とおりである。
城下: | 平成12年11月13日 | (大江町) |
| 平成12年12月15日 | ( 〃 ) |
| 平成12年12月25日 | ( 〃 ) |
小西: | 平成13年1月12日 | (舞鶴市河辺) |
城下: | 平成13年2月20日 | (大江町) |
| 平成13年6月7日 | ( 〃 ) |
| 平成13年6月17日 | ( 〃 ) |
| 平成13年6月27日 | ( 〃 ) |
小西: | 平成13年7月1日 | (綾部市古和木) |
城下: | 平成13年7月5日 | (大江町内宮山) |
小西: | 平成13年7月8日 | (福知山市市室) |
城下: | 平成13年7月7日 | (大江町内宮山) |
小西: | 平成13年7月15日 | (夜久野町小畑) |
| 平成13年7月22日 | (加悦町奥滝の山) |
| 平成13年7月23日 | (舞鶴市与保呂) |
| 平成13年8月2日 | ( 〃 ) |
城下: | 平成13年9月9日 | (大江町大江山) |
| 平成13年9月16日 | ( 〃 ) |
| 平成13年9月18日 | ( 〃 ) |
| 平成13年9月30日 | ( 〃 ) |
| 平成13年10月12日 | ( 〃 ) |
| 平成13年11月10日 | ( 〃 ) |
前後22回に及ぶ調査で絶滅危惧種マイヅルヨコバイタケ、オサムシタケ、ウスイロコゴメ
セミタケ、カイガラムシキイロツブタケ、シマイヌノエフデ、クラガタノボリリュウや数少
ないナナフシテングノメシガイ、クロラッパタケ、タマゴタケ、ツブノセミタケ、シロヤリ
タケ、ギベルラタケ、アワフキムシタケ、キヌガサタケ、キマワリアラゲツトノミタケ、オ
イラセクチムシタケを発見した。
丹後地域、山城地域それぞれのきのこ同好の会員による協力や城下、小西両氏の年間を通
しての採集によって、京都府きのこ類の調査は第1段階の全般調査ができた。また丹後、日
本海海岸調査の結果、ショウロ、ホンショウロの採集ができた。
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