ツルヨシ・セイタカヨシ群落
分類 | 低層湿原 挺水植物群落 |
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特徴 | ツルヨシとセイタカヨシも水辺の植物であり、各地で広く見られるが、ヨシとは少しずつ異なった適地をもつ。ツルヨシは水辺からやや陸よりであり、特に砂地で地表に走出枝を伸ばしながら地表に根をおろし、広がっていく。より不安定な立地に、持続的に生育する形態である。セイカタヨシはヨシよりも乾燥地であり、水中にはほとんど入らず、ヨシ群落の陸側に連続して見られることが多い。したがって、ヨシ群落の陸側には、その立地の様子に応じて、ツルヨシとセイタカヨシとが現れる。ツルヨシ・セイタカヨシ群落の中には、ヨシ群落の陸地側に見られるようなやや湿地性のミゾソバ、アキノウナギツカミ、スギナ、ヨモギなどを見ることができる。 |
分布 | ヨシの分布域がほぼ全世界的に広いのに対して、ツルヨシとセイタカヨシの分布は、暖温帯と冷温帯の本州、四国、九州などであり、かなり分布の限られた植物である。それぞれの種の個体は府内でも見ることは多いが、群落としてまとまった面積をもったものはほとんど見られない。今回のリストでは、山城町の泉橋から山城橋の間の河川敷にあるツルヨシとセイタカヨシの群落が上げられている。 |
保存に対する脅威 | ツルヨシ・セイタカヨシの群落は、河川敷という非常に不安定な立地に成立する群落であり、その不安定な立地に成立するということが、この群落の条件である。したがって、この群落を維持するためには、必要以上には手をつけずに、増水や渇水なども含めた自然な状態を維持することは必要となる。すでに河川自体は整備がされているため、この群落のある場所だけではなく、河川全体の課題として河川敷のあり方を考え、地元の了解の元でこの群落を継続して維持する事について、どういう方法を用いるのかを決めていくことが必要となる。 |