ヨシ群落
分類 | 低層湿原 挺水植物群落 |
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特徴 | 水深1.5m程度から陸上の地下水位が2m程度までの範囲で生育し、地下茎で広がって大群落を作ることが多い。もともとは河川敷や河口部などには大面積で広がり、また池等の水があるところではよく見られる植物である。ヨシは春に地下から芽を出して地上に伸びはじめ、3か月ほどの間に陸上であれば4m程度、水中でも2m程度の伸長成長を行なう。そのような成長に併せて、ヨシ群落の中やその縁では、ヨシ群落に伴って、多くの植物が生育をし、ヨシ群落特有の植物相をもつようになっている。ヨシがどの様な場所に最初は侵入をするのか、ということはあまりよくわかっていないが、かなりパイオニア的な性格が強く、新しく裸地になったような場所で侵入をし、水辺に土砂がたまり陸化していくにつれて水の側に移動していくと考えられている。しかし近年は水辺を陸側と水側とにはっきりと区別するような土木工事が行われることが多いために、ヨシ群落が急速に減少している。 |
分布 | 全国の水辺には幅広く見られる。府内においても、水辺には必ずといっていいほどヨシは見ることができるが、ヨシ群落はまとまった面積の物はごく少なくなっている。 |
保存に対する脅威 | リストにあげられているのは、伏見区向島の河川敷のヨシ群落などであるが、ここはおそらく府内で最も規模の大きいヨシ群落である。ヨシ群落として多くの植物種を含んでいるが、河川敷の地下水位は2m以上あり、また河川敷が真ん中がくぼんだ構造になっているために周囲がオギやセイタカアワダチソウになっている。当面は直接のヨシ群落の破壊になるようなことがないように、注意をすべきであろう。そして、放置すれば河川敷全体が乾燥してヨシ群落が弱体化していくことが考えられるため、長期的な対策を考慮する事が必要である。 |