ブナ帯の分布には夏が暑く、照葉樹林帯の分布にとっては冬が寒いためにその両者が分布しないために生じる中間温帯と呼ばれるゾーンの中のやや乾燥した岩場の尾根筋などに見られる群落であり、モミが優占し、また林内及び隣接してツガやカシ類などを伴っている。場所によって共存する樹種が異なり、一定した組成はないといわれているが、カシ類とカシ林に見られる事の多い常緑樹がやや高い比率で見られる。

モミの分布地は比較的広いが、モミ群落として成立している群落はあまり見られないため、京都府では貴重な群落の一つと言える。山地の比較的目立つ群落であることや、京都市・乙訓地域では社寺林の一部や国有林の保護地域である事等から、当面は大きな変化はないであろうと考えられるが、南丹地域のモミ群落は社寺林ではなく、山地の群落であるため、本来のあまり人手が入っていない立地での群落であろうと思われる。人手が入らなければ、ほぼ変化は起こらないと思われるため、今後のその地域の開発行為などについての注意が必要である。