ゴヨウマツ群落
分類 | 温帯針葉樹林 |
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特徴 | ゴヨウマツ群落は尾根筋の乾燥地などに出現する土地的な極相林であるが、比較的その出現場所は少なく、群落が見られる場所は少ない。なお、ゴヨウマツはヒメコマツと呼ばれることがあるが、ヒメコマツはゴヨウマツの別名とあつかわれる場合と、キタゴヨウの別名としてあつかわれる場合があり、混乱している。土壌の薄い、尾根筋の乾燥地に見られ、裸地にちかいような立地である事が多く、構成種もネズミサシやごくわずかな種である事が多い。 |
分布 | ゴヨウマツは関東地方以西、四国、九州に分布し、京都府でもその分布地は少ない。今回のリスト地は、花背大悲山の社寺林にあたる森林と片波の自然林であり、ホンシャクナゲなどを含む群落である。また、自然林の尾根に単木的に分布していることがある。 |
保存に対する脅威 | ゴヨウマツは土地的な極相であり、尾根筋などに出現することが多い。たとえば滋賀県の田上山などは滋賀県内での数少ないゴヨウマツの群落が見られるが、この場所は奈良時代からの木材供給地であり、その伐採による荒廃の結果がゴヨウマツ群落であるとされている。したがって田上山の明治以後の緑化によって、ゴヨウマツの群落は面積を減らしつつある。今回リスト化した場所のゴヨウマツ群落をどのように扱うかはおそらく、現場での詳細な調査が必要であるが、保全策としては、当面は群落に手を付けないことであろう。 |