カエデ群落
分類 | 暖温帯落葉広葉樹林 |
---|---|
特徴 | カエデ類は渓谷林や斜面下部で優占し、またブナ帯下部などでの二次林の構成種となる。リストでは、二つのカエデ群落があげられているが、一つは斜面下部のコハウチワカエデ群落、もう一つは同じく急斜面の下部にある、ウリハダカエデとチドリノキ、イロハカエデ等の群落である。一般的にはカエデ類はやや多湿で、礫質のような斜面等でも生育するため、渓谷がカエデの紅葉の名所になっている場合が多い。そしてこの二箇所とも紅葉の名所として知られている。カエデ類は二次林などに幅広く見られるが、多くの樹種を交えている場合が多く、カエデ群落と言えるような状態になっている事はあまり見られない。今回のコハウチワカエデ、オオモミジ、ヤマザクラ、ヒノキなどを含みながら、このコハウチワカエデが最も優占種であり、また高木層や低木層にもコハウチワカエデが見られる。またもう一方の群落でも、高木層にカエデ類以外にモミ、クマシデ、ヤマザクラ、ユクノキ等を含みカエデ類が非常に優占している群落である。 |
分布 | カエデの仲間は樹種によってその種ごとの分布範囲は異なるが、全体に暖温帯から冷温帯にまで幅広く分布しており、やや多湿な落葉樹林のなかに見られる。しかしカエデ類が優占して群落を作ることは少なく、斜面下部の様な特定の立地で群落を作る。府内でも丘陵地に深く入ったような渓谷や山地の渓谷等でカエデ群落を見ることができる。 |
保存に対する脅威 | 今回のリスト化された群落については、それぞれ管理者がおり、特に紅葉の名所として地元の周囲の人びとからも注目をされている群落であるために、今後も同様な状態が続くのであれば、特別な対策は必要はない。ただしカエデ群落は環境の変化には弱く、人里近くのカエデ群落の場合には、周囲の開発等によってカエデ群落内が乾燥をすること等に注意が必要である。 |