選定理由 | 外来種のタイワンシジミとの競合で分布域が縮小している。 |
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形態 | 殻は亜三角形で、殻頂部は突出しない。殻長は通常30mmを超えない。殻色は黄褐色から黒紫色で、雲状紋が見られることが多い。 |
分布 | 日本全国に分布し、平野部の河川や用水路に多く生息する。府内では全ての水系(淀川水系、由良川水系、その他の水系)に生息している。 ◎府内の分布区域 府内全域。 |
生態的特性 | 小川や用水路の砂泥~砂礫底に生息する。雌雄同体の卵胎生である。3倍体で雄性発生をする。 |
生息地の現状 | 淀川および由良川水系では、多くの場所でタイワンシジミに置き換わっており、個体数は激減している。丹後地域の小河川にはまだ生息している。 |
生存に対する脅威 | 河川改修による生息場所の破壊や水質汚濁による環境の悪化。また、外来種であるタイワンシジミとの競合も、個体群の存続を脅かす要因と考えられる。 |
必要な保全対策 | 用水路の改修の際には貝類の調査を行い、本種などの生息を確認する必要がある。改修に当たっては土砂を入れた保護区域を設定し、改修後に貝類が生息できる環境を創設する必要がある。 |
改訂の理由 | 淀川・由良川水系ではタイワンシジミに置き換わっている。 |
その他 | 日本固有種 |
文献 紀平ほか(2003)、石橋、古丸(2003)、増田、内山(2004)
執筆者 近藤高貴