選定理由 | 府内における生息個体数が少ない。 |
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形態 | 成貝は殻長23~28mmで、最大35mmに達する。螺層角は平均12.2度と小さく、ビワカワニナ類としては比較的細長い外形をしている。殻底肋は2~3本である。次体層の縦肋数は14~20で、平均は16.9である。縦肋は著しいひだ状になっている。胎貝は殻長1.2~3.0mmで、平均2.4mmである。表面全体がオリーブ色の個体が多いが、1~2本の褐色帯が見られる個体もある。 ◎近似種との区別 ひだ状の縦肋がはっきりしていて、ほかのビワメラニア類とは容易に区別できる。 |
分布 | 滋賀県、京都府、大阪府に分布し、河口湖や諏訪湖などにも人為的に移植されている。府内では宇治川で記録がある。 ◎府内の分布区域 淀川水系。 ◎近似種との比較 ナカセコカワニナやヤマトカワニナなどのほかのビワカワニナ類と混生している。 |
生態的特性 | 比較的粗い底質の浅い所に生息する。琵琶湖では年間を通して水深2~5m付近に多いが、冬には水深5~7mでも密度が高くなることから、ヤマトカワニナと同様に季節的に垂直移動する可能性がある。雌雄異体で、卵胎生である。メスの胎貝保有数14~36で、平均24.6である。 |
生息地の現状 | 宇治川では過去20年ほど生息が確認されていない。上流の瀬田川には生息している。 |
生存に対する脅威 | 河川改修による生息場所の破壊や水質汚濁による環境の悪化。 |
必要な保全対策 | 安定して水が流れる場所に、天然石を利用した石積護岸を行うなど、生息場所の回復が必要である。浅い所に生息するので、急激な水位低下が起こった時には、救出作業が必要である。 |
改訂の理由 | 過去20年以上、発見記録がない。 |
その他 | 日本固有種 |
文献 渡辺(1970)、西野(1991)、紀平ほか(2003)
執筆者 近藤高貴