選定理由 | かつては普通な種で各地の都市部でも見られた。しかし、暗渠の発達や生活用水による汚濁が主な原因であろうと推察されるが、大都市とその周辺からはまったく姿を消してしまった。現在、京都では主に中、上流域で、点々と局所的に残存している。 |
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形態 | 背面は褐色、腹面は灰色のやや小型のミギワバエ。顔面中央に縦に太い隆起があって特徴的である。 |
分布 | 北海道、本州、四国、九州。国外では、ハワイ、中国、ロシア極東部。 ◎府内の分布区域 宮津市、八丁平、井出町、音羽山。貴船、桂川、深泥池は最近の記録なし。 |
生態的特性 | 幼虫は水生で、成虫はしばしば多数が水面に静止し、また灯火にも飛来する。 |
生息地の現状 | 存続に不安のある地域がある。 |
生存に対する脅威 | 河岸の改修、水質の汚濁。 |
必要な保全対策 | 河岸の自然度の回復。 |
改訂の理由 | 2002年版レッドデータブック作成時には、参照できる資料がほとんどなかったため、ひかえめな判断とせざるをえなかった。しかしその後の京都における調査および近隣地区の資料が増加したため、現時点において妥当と思われる評価に変更した。 |
文献 大石(2013)
執筆者 大石久志