選定理由 | 開発による生息環境の破壊、水質汚染などで生息地が減少している。 |
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形態 | 腹長31.0~33.0mm、後翅長26.0~29.0mm。胸部側面の黒条は1本のやや小型のサナエトンボ。オスの副性器は大きい。オスの尾部上付属器、メスの産卵弁の形状などで近似種と区別できる。 |
分布 | 福井県、静岡県以西の本州、四国、九州に分布する。 ◎府内の分布区域 京都府では京都市・乙訓地域、南丹地域、中丹地域に生息地がある。 |
生態的特性 | 平地~丘陵地の、雑木林に隣接する開放的な水質の良い池沼、湿地や暖流に生息。成虫は4月中旬~6月上旬に見られる。未熟期は発生地近くの草地や林縁で過ごし、成熟すると水辺に戻り、水深の浅いところで生殖活動を行う。小川のコンクリート化、水質汚染などにより生息環境が減少した。 |
改訂の理由 | 府下のコサナエ属は、生息環境の悪化により希種となる懸念があるので、要注目種とした。 |
文献 尾園ほか(2012)、関西トンボ談話会(1974、2006)、山本ほか(2009)
執筆者 田端修