選定理由 | 京都府内では普通に見られるイトトンボであったが、近年減少が著しい。 |
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形態 | 腹長21.0~29.0mm、後翅長13.0~22.0mm。オスは胸部前面と腹部背面に黒条斑のある、黄緑がかった水色のイトトンボ。尾部上付属器は背面から見るとハの字型に開き、先がとがる。メスは黄緑~黄褐色の体色をしているが、まれに青色になる個体もいる。 |
分布 | 北海道(稀)、本州、四国、九州に分布する。 ◎府内の分布区域 京都府でも全域に分布するが、生息地は減少している。 |
生態的特性 | 平地、丘陵地の抽水植物や浮葉植物、藻の生育する池や緩やかな流れに生息する。未熟期は付近の草むらで過ごし、成熟すると水辺に出てきて生殖活動を行う。成虫は5月~10月中旬に出現する。河川改修などにより産卵する浮葉植物や藻の消失と、水質悪化による生息地、個体数の減少が著しい。 |
改訂の理由 | 2002年以降の調査でも多産地は見つからず、生息地での個体数は少ない状況にある。今後の生息状況を注視する必要があるので要注目種とした。 |
文献 尾園ほか(2012)、関西トンボ談話会(1977、2006)、山本ほか(2009)
執筆者 田端修