選定理由 | 府下では主に海岸砂丘に生息し、生息環境の変化の影響を受けやすいと考えられるため。良好な海岸環境の指標でもある。 |
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形態 | 体長21.0~23.0mm。黒色の体に黄白色の模様をもつ。 |
分布 | 北海道、本州、四国、九州、五島列島、屋久島に分布。 |
生態的特性 | アブ科、ニクバエ科、クロバエ科、ハナアブ科など多様なハエを獲物として狩り、砂地に浅く掘られた巣穴に蓄える。幼虫の孵化後も成長に応じて随時給餌を行う。 |
生息地の現状 | 京丹後市の琴引浜や箱石浜などの海岸砂丘で営巣や海浜植物への訪花が確認されている。また京都市内の北白川周辺と慈照寺(銀閣)でも営巣が見られる。特に後者は寺社の銀沙灘という特殊な環境で維持されている個体群である。 |
生存に対する脅威 | 護岸工事やオフロード車の侵入は、訪花植物や営巣場所の環境を変化させ、生息に大きな影響を与える可能性が高い。 |
必要な保全対策 | 地形や海浜植物を含む海浜環境全体の保全。 |
改訂の理由 | 良好な砂地環境の指標であり全国的には減少傾向にある種であるため。 |
文献 遠藤(1988)
執筆者 松本吏樹郎