選定理由 | 一般に広い分布域をもつヒラタアブの中で、分布も狭く西南日本に限られ、局所的に発見されている。暖温帯林に適応し、特殊化した種と考えられる。京都では長く再発見されていない。 |
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形態 | やや小型で、黒色。腹部第2~4節に勾玉状の黄斑があり、同属の他種とはやや印象が異なる。 |
分布 | 本州、四国のみに分布。 ◎府内の分布区域 貴船の1例のみ。 |
生態的特性 | 幼虫はアブラムシを捕食すると考えられる。成虫は木本の花に集まる。夏季は山地で、冬~春は平地で見られ、移動するらしい。 |
生息地の現状 | 生息環境は大きく減少。 |
生存に対する脅威 | 自然林の減少。 |
必要な保全対策 | 自然林の残存している環境にはなお生息する可能性が高い。保全はこうした環境の維持が重要である。 |
改訂の理由 | 2002年版レッドデータブック作成時には、参照できる資料がほとんどなかったため、ひかえめな判断とせざるをえなかった。しかしその後の京都における調査および近隣地区の資料が増加したため、現時点において妥当と思われる評価に変更した。 |
執筆者 大石久志