選定理由 | 全国的に稀な種で記録も非常に少ない。寄生性の種であるが、寄主との関係によるのかあるいはさらに他の要素もあるのか、その存続には特に高い自然度が要求される種と考えられる。現在こうした高い自然度でのみ生息できる種の集中して見られる芦生が、京都でのこの種の唯一の産地でもある。 |
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形態 | メバエの中でこの種のみ短く硬化しない口吻をもつ。 |
分布 | 北海道、本州、四国。 ◎府内の分布区域 南丹市美山町芦生の1か所のみ。 |
生態的特性 | 不明であるが、幼虫はハチに寄生すると考えられる。 |
生息地の現状 | 芦生の原生林はやや劣化が進んでいる。 |
生存に対する脅威 | 自然林の減少。 |
必要な保全対策 | 自然林の保護とともに、生態の解明によってより有効な保全策を見いだすこと。 |
改訂の理由 | 2002年版レッドデータブック作成時には、参照できる資料がほとんどなかったため、ひかえめな判断とせざるをえなかった。しかしその後の京都における調査および近隣地区の資料が増加したため、現時点において妥当と思われる評価に変更した。 |
執筆者 大石久志