選定理由 | 分布が極めて局地的で産地が少ない。京都府における現存する生息場所は1か所のみである。 |
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形態 | 体は灰褐色で細長く棒状で、複眼は頭部中央より後方につく。体長11.0~14.0mmで短翅型と長翅型がある。オスでは腹部第7腹板に突起がなく、メスでは腹部第7腹結合板に突起がある。しばしば同属他種と混同されるので同定には注意が必要。 |
分布 | 北海道、本州、四国、九州、対馬、奄美大島。国外では朝鮮半島、中国、台湾。 ◎府内の分布区域 京都市、舞鶴市(冠島)。 |
生態的特性 | 長翅型と短翅型が出現する。越冬態は成虫である。 |
生息地の現状 | 生息地は少なく、冠島の生息場所は消失した可能性が高い。京都市の生息場所は人為的な影響に曝されている。 |
生存に対する脅威 | ため池の落水、堰堤や水路の改修、水質の汚染。 |
必要な保全対策 | 水質汚染や溜池の改修工事による環境変化が危惧されるため、これらに注意を要する。 |
改訂の理由 | 日本各地で1960年代以降激減した。分布はきわめて局地的。近年、京都府では京都市の1か所の止水面のみで確認されている。 |
文献 中尾ほか(2012)
執筆者 中尾史郎