鞘翅(コウチュウ)目 クワガタムシ科
マダラクワガタ
京都府カテゴリー | 要注目種 |
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2002年版 | 要注目種 2002年版を参照する |
環境省カテゴリー | なし |
選定理由 | 府内の分布域は比較的狭く連続しない。良好な自然環境の指標として注目される。 |
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形態 | 原色日本甲虫図鑑(Ⅱ)(保育社 1985)PL. 59、No. 10、日本産コガネムシ上科標準図鑑(学研 2012)PL. 01、No. 1-9を参照。体長4.0~6.0mm程度。体型は長円型で赤褐色、背面には名前の由来にもなっている黒色と金色の毛の束からなる「まだら」がある。一見、コガネムシのように見えるが、オスの大顎はわずかながら発達する。幼虫の頭部は黄色で頭幅2.0mm程度。肛門孔は3葉片で囲まれる。 |
分布 | 日本固有種で北海道、本州、四国、九州、佐渡島、伊豆諸島、対馬、種子島に分布。屋久島産のみ別亜種。 ◎府内の分布区域 丹後半島を含む府北部地域のブナ・ミズナラ林に分布する。 |
生態的特性 | ブナ帯を中心に分布しているが、奈良市春日山などの照葉樹林に生息している例もある。成虫は3月下旬頃から野外活動を始める。新成虫は蛹室内で越冬する。幼虫は各種広葉樹の褐色腐朽材に見出される。 |
生存に対する脅威 | 森林伐採、林道・ハイキング道の整備、下草刈りなどによる林内の乾燥化が本種へ悪影響を与える。加えて、マニアによる採集圧が新たな脅威となる。 |
その他 | 日本固有種 |
文献 京都昆虫研究会(1991)、荒谷、大淵(1992b)、Araya(1993a)、水沼、永井(1994)、荒谷(2001)
執筆者 荒谷邦雄(補筆:水野弘造)