蜉蝣(カゲロウ)目 トビイロカゲロウ科
オオトゲエラカゲロウ
京都府カテゴリー | 要注目種 |
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2002年版 | 要注目種 2002年版を参照する |
環境省カテゴリー | なし |
選定理由 | 京都府西芳寺川産の標本により本種の形態が記載された(石綿 2001、川合、谷田2005)。本種が生息する丘陵部の細流は、宅地造成、採石場、残土捨て場、ゴルフ場等の開発によって失われ易い。特に大都市近郊では生息場が減少している。 |
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形態 | トゲエラカゲロウ属には、ヒメトゲエラカゲロウThraulus macilentus、ウスグロトゲエラカゲロウThraulus fatuusも知られている(川合、谷田(共編) 2005)。本種はこれらの中で最大で、幼虫や成虫の体長は13.0mmに達する。また、幼虫・成虫ともに体色が黒褐色である点で区別できる(御勢 1980a)。トゲエラカゲロウ属の一種Thraulus sp.(白色で小型の種: 上野 1995)が京都市賀茂川からも得られているが、分類学的な検討がされていない。 |
分布 | ◎府内の分布区域 府内では、西芳寺川で確認されたが、その他の分布域は不明。 |
生態的特性 | 比較的傾斜の緩い丘陵地の枝谷が生息地。主に谷戸の落ち葉の堆積した淵やため池に生息する。 |
生存に対する脅威 | 本種が生息する丘陵地の細流は,宅地造成、採石場、残土捨て場、ゴルフ場等により失われ易い。特に大都市近郊では生息場が減少しており、奈良県のレッドデータブックでは準絶滅危惧種に指定されている。 |
必要な保全対策 | 丘陵の谷戸の生物相調査につとめ、本種の現状を把握する必要がある。 |
文献 石綿(2001)、川合、谷田(共編)(2005)、御勢(1980a)、上野(1995)
執筆者 竹門康弘