鞘翅(コウチュウ)目 カミキリムシ科
ムナコブハナカミキリ
京都府カテゴリー | 絶滅危惧種 |
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2002年版 | 絶滅危惧種 2002年版を参照する |
環境省カテゴリー | なし |
選定理由 | 温帯性落葉広葉樹林に生息する原始的なハナカミキリで、分布は局限される。府内では京都北山から散発的に記録があるが、個体数は少ない。京都府は福井県と共に分布のほぼ北限に位置する。 |
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形態 | 原色日本甲虫図鑑(IV)(保育社 1984)PL.2、No. 18、日本産カミキリムシ(東海大学出版会 2007)PL. 4、No. 14を参照。体長17.0~20.0mm。頭部、胸部、肢、触角は黒色、上翅は赤褐色で光沢を欠く。オスは触角が長く上翅端を越すが、メスでは届かない。 |
分布 | 本州(愛知県以西)、九州。 ◎府内の分布区域 南丹市美山町(京都大学芦生研究林)、佐々里峠、京都市左京区大悲山、大原大見町、杉峠で記録がある。 |
生態的特性 | 成虫は6~7月に出現するが訪花性は強くなく、飛翔中や樹木の葉に静止中の個体が稀に採集されているにすぎない。ノリウツギに産卵の例が報告されているが、樹種選択性があるのかは不明で詳しい生態は分かっていない。 |
生息地の現状 | 京都市左京区杉峠や南丹市美山町佐々里峠では、かつて本種が生息していた広葉樹林が伐採され、スギ植林となっており、生息地が狭められている。 |
生存に対する脅威 | 広葉樹林の伐採。 |
必要な保全対策 | 温帯性落葉広葉樹林を保護すること。 |
その他 | 日本固有種 |
文献 細川(1984)、芦田(1987a)、岩田ほか(1993)、大林、新里(編)(2007)
執筆者 芦田久(修正:水野弘造)