鞘翅(コウチュウ)目 コメツキムシ科
ホソマメコメツキ
京都府カテゴリー | 絶滅危惧種 |
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2002年版 | 絶滅危惧種 2002年版を参照する |
環境省カテゴリー | なし |
選定理由 | 全国的希少種。タイプ産地:京都市花脊峠(holo-&allotypes, 7. ⅷ. 1956, 岸井尚採集)、パラタイプ産地:比叡山(29. ⅶ. 1956, 堀尾貞太郎採集)。 |
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形態 | 小型種で体長2.5~3.5mm。強固な感じで長卵形に近く上翅肩部で最も広い。光沢は顕著。黒色で肢部は赤褐色で基節と?節はより淡色。体毛は黄褐色で白黄色毛を部分的に混生し艶があり、細長く直毛で密。触角は極めて長く、オスでは末端2節が前胸後角端を越え、メスでも末端節が越え、第2節は短く、第3節は前節より明かに長い。前頭縁線は複眼前方で分岐せず単純。小盾板は長ハート型に近く、平坦で明瞭な長円形圧平部を持つ。後胸腹板の隆起線は短く不完全、内方のものがやや長く、外方のものは極めて短く、これらの端部は広く離れ細くなり消失。 ◎近似種との区別 ヘリマメコメツキY.elliptica (Candeze)およびヘリムネマメコメツキY.carinicollis (Lewis)に似るが、体が細い卵形で触角が明瞭に長く、小盾板平滑部が長円形であることなどで区別し易い。 |
分布 | 四国を除いて栃木県以西の本州と九州各地に分布するが少ない。 ◎府内の分布区域 京都市左京区花背峠、比叡山、京都市山科区牛尾山の3か所が確認されたのみ。 |
生態的特性 | 夏季山地の潅木葉上で得られるが一般には少ない。タイプ標本は花背峠でウツギ葉上に集っていたもの(8exs. , 7. ⅷ. 1956)、それ以外は稀である。 |
生息地の現状 | 本種標本の得られた1950年代よりも産地の森林環境は大きく悪化しているので追加確認が必要である。牛尾山の標本は(1. ⅵ. 1995, 松田吉弘採集)でこれが最新である。 |
その他 | 日本固有種 |
文献 Kishii(1961、1966a、1970、1987、1999)
執筆者 岸井尚(修正:水野弘造)