昆虫類鞘翅（コウチュウ）目 コメツキムシ科
クロホソキコメツキ
Procraerus cariniceps (Lewis, 1894)
| 京都府カテゴリー | 絶滅危惧種 |
|---|---|
| 2002年版 | 絶滅危惧種 2002年版を参照する |
| 環境省カテゴリー | なし |
| 選定理由 | 全国的希少種、京都大学芦生研究林と広河原で各1例のみ。 |
|---|---|
| 形態 | 体長7.5～8.5mm。強固で細長く肥厚するが筒型でなく平行状、光沢は明瞭。黒色でオスの肢部は腿節･脛節の末端と?節は多少とも黄赤色、メスでは触角と上翅の周辺部がやや褐色を帯び、前胸背後角末端と肢部は赤褐色で、希に上翅全体赤褐色のものもある。体毛は淡褐色で長く直毛、前胸背ではむしろ疎で上翅では密。頭部は広く膨隆し前傾、中央に極めて明瞭な1縦隆起線が後縁部から前頭縁に達し、前頭溝中央も縦に隆起して頭部隆起線と連なる。上翅末端は裁断状でわずかにえぐられ、会合線末端に微突起をもつ。 ◎近似種との区別 ヨーロッパ産の本属のタイプ種であるP. tibialis (Lacordaire)に極めて良く似るが、触角の第3節が第2節とほぼ等長、前胸背板の点刻が大きくより密である。 |
| 分布 | 神奈川県がタイプ産地。北海道、本州各地、愛媛県、大分県、対馬からの記録があり、分布は広いが稀少種といえる。ロシア沿海州からの記録もある。 ◎府内の分布区域 美山町芦生演習林［1. ⅵ. 1974, 水野弘造採集］および左京区廣河原［24. v. 1972, 今坂正一採集］の各1例の記録のみ。 |
| 生態的特性 | 不明な点が多いが生木の洞より発生するのかと思われる節もある。 |
| 生息地の現状 | 森林環境が現在のままの状態で維持されるなら安定であろう。 |
| その他 | 日本固有種 |
文献 Gurjeva（1979）、Kishii（1987、1999）、Lewis（1894a）、正木（1975）、大平（1970）
執筆者 岸井尚（修正:水野弘造）
.gif)