昆虫類
蜻蛉(トンボ)目 アオイトトンボ科
蜻蛉(トンボ)目 アオイトトンボ科
コバネアオイトトンボ
Lestes japonicus Selys, 1883
京都府カテゴリー | 絶滅危惧種 |
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2002年版 | 絶滅危惧種 2002年版を参照する |
環境省カテゴリー | 絶滅危惧ⅠB類(EN) |
選定理由 | 全国的に減少しており、京都府でも産地が少ないため。 |
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形態 | 腹長はオスが28.0~33.0mm、メスが26.0~30.0mm。後翅長は18.0~22.0mmの明るい金緑色をしたイトトンボ。後頭部の後側が黄白色をしているのが特徴。 ◎近似種との区別 他のアオイトトンボ類よりも体長に対する翅長がやや短い。後頭部の後側が黄白色をしていることで他種と区別できる。 |
分布 | 本州、四国、九州に分布するが、産地は局地的。 ◎府内の分布区域 全地域(福知山市、船井郡、京都市、宇治市など)から記録されているが、分布は局地的である。 |
生態的特性 | 平地や丘陵地のアシなどが多い古い池沼に生息し、成虫は5月下旬~10月頃に見られるが、前生殖期間が長く、秋に生殖活動を行う。メスは、柔らかい茎をもつ水生草本に産卵する。 |
生息地の現状 | 少ない既知産地に現存している池はわずかしかなく、個体数も減少している。 |
生存に対する脅威 | 開発による環境破壊や水質汚染が考えられる。 |
必要な保全対策 | イグサ類などの産卵植物が豊かな池沼とその周囲の雑木林を同時に保全する必要がある。 |
文献 石田ほか(1988)、関西トンボ談話会(1984)、杉村ほか(1999)
執筆者 藤井恒