鱗翅(チョウ)目 タテハチョウ科
ヒメヒカゲ
京都府カテゴリー | 絶滅寸前種 |
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2002年版 | 絶滅寸前種 2002年版を参照する |
環境省カテゴリー | 絶滅危惧ⅠB類(EN) |
選定理由 | 全国的に減少傾向にあり、府内でもほとんどの産地で絶滅したと考えられるため。 |
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形態 | 前翅長16.0~23.0mmの小型のジャノメチョウ。翅表は黒色だが、メスでは淡黒褐色となる。裏面は黄褐色で、眼状紋があるが眼状紋の数には個体変異がある。また、後翅の眼状紋列の内側に淡い白帯が現れる個体もある。 ◎近似種との区別 北海道に分布する同属のシロオビヒメヒカゲは、地色が赤褐色で裏面に明瞭な白帯があるので、区別は容易。 |
分布 | 本州の中部~中国地方に局地的に分布する。 ◎府内の分布区域 北部地域(福知山市)と中部地域(京丹波町、南丹市日吉町、美山町、亀岡市)から記録があるが、ほとんどの産地では姿が見られなくなった。 |
生態的特性 | 年1化で、成虫は6~7月に見られる。成虫は明るい草原を日中ゆるやかに飛ぶ。湿性草地に生息する場合と、高標高地の乾性草地に生息する場合が知られている。幼虫は主にカヤツリグサ科のスゲ類を食草としているが、イネ科も利用することがある。主に3齢幼虫で越冬する。 |
生息地の現状 | 府内では、ほとんどの産地で絶滅したと考えられる。原因としては、遷移の進行に伴う環境の変化、開発などの影響が考えられる。 |
生存に対する脅威 | 全国的に激減しており、絶滅が心配されている種である。本種の衰亡の原因としては、開発や遷移の進行に伴う環境の変化、植林、農薬散布、過度な採集圧など、様々な要因が複合的に作用している可能性が高い。また、小さな発生地に採集者が集中することも脅威となる。 |
必要な保全対策 | 未発見の生息地がまだ残されている可能性があり、継続調査が必要である。また、生息地となる草原は、放置しておけば遷移が進行していくため、本種のような草原性チョウ類の保護には、人間による適切な草原の維持管理が重要だと考えられる。さらに、わずかに残された個体群を維持するためには、地域を限定した採集規制や人工増殖も検討する必要があろう。 |
その他 | 日本固有種 |