選定理由 | 日本海沿岸での生息地はきわめて限られ、保全的価値が高い。 |
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概要 | 殻長10mmあまり。褐色の殻皮に覆われ、螺塔、軸唇方向に細まった紡錘形で、和名のとおりドングリに似た形、色をしている。岩礁海岸の潮上帯の湿った物陰という特異な環境に生息するため、通常の貝類の調査では見つけられにくい傾向がある。本州(山口県、千葉県以南)、四国、九州、南西諸島の海岸に分布するとされるが、富山県での記録もある。府内では、中丹地域東部(舞鶴市)の若狭湾海岸で傷みの少ない打ち上げ貝が採集されており、近隣に分布することが推測される。 |
改訂の理由 | 海浜性の種で、若狭湾の海岸で生息の可能性を示唆する新鮮な打ち上げ個体が得られた。日本海側での生息地はきわめて局限され、今後、情報が十分得られた場合も、保全的価値が高い状況が続くと推測されることから、「情報不足」の意味で要注目種とした。 |
その他 | 日本固有種 |
文献 黒住(2000)
執筆者 中井克樹