京都を代表する大型のマイマイで、名義タイプ亜種は山地型で、平地型のナミマイマイは別亜種E. sandai communisとして扱われることもあり、どちらも「京都」をタイプ産地とする。ニシキマイマイは大型（殻径40～50mm程度）で、色帯は完帯型（1234型）と無帯型（0000型）が多く、地色は赤褐色のものが多く、黄色のものは色帯が完帯型で、いずれにせよ全体として暗色を呈し、滋賀県西部から京都府の京都市・乙訓地域以北を経て兵庫県にかけての山地に分布する。一方、ナミマイマイは小型（殻径32～42mm程度）で、淡色（ときに赤褐色～黒褐色の暗色の型も出現する）、色帯は0204型が多く1234型も出現し、ニシキマイマイの分布域に近接する京都府全域の平野部に分布する。中丹地域の東部、若狭湾に浮かぶ冠島の集団は、カンムリマイマイE.kanmuriensisとして独立種（またはニシキマイマイの亜種）として扱う見解もあったが、最新の生化学的分析ではニシキマイマイの地域集団に含まれるものであることが示されている。