選定理由 | 府内での生息地が局限され生息密度も低い。 |
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形態 | 殻径が40mmを超えることのある大型のマイマイで、螺塔はやや高い。殻表は非常になめらかで、クリーム色~淡褐色の地色に、細く明瞭な黒褐色の色帯を弱く角ばった周縁部外縁にめぐらす。幼貝は、殻質が非常に薄く半透明で、螺塔が低く周縁の角ばりが顕著である。 ◎近似種との区別 同属の準絶滅危惧種コシタカコベソマイマイと同様、同程度のサイズになるマイマイ属(オナジマイマイ科)の諸種と比較して、螺塔がやや高く、螺管の巻きが多く、臍孔が閉じられる。 |
分布 | 本州(関東以西)、四国、九州に広く分布する。 ◎府内の分布区域 中丹地域から相楽地域にかけて確認されているが、生息地は離散的である。 |
生態的特性 | 主として山地の森林や林縁部に生息し、落葉広葉樹林にもスギの植林地にも見られる。樹上には登らず地上棲である。 |
現状と脅威 | もともと生息密度が低い種で、森林伐採などにより生息環境が劣化するおそれがあり、近年のシカの増加による森林下層植生への食害も、地上棲の本種の生息に影響を与えることが懸念される。 |
その他 | 日本固有種 |
文献 湊(1983b)、大谷、中井(2011)、多那瀬、垂井(1972)
執筆者 中井克樹