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選定理由 | 最近、府内からの記録が途絶えている。水田耕作に家畜を利用しなくなったことや農薬等の影響が考えられる。 |
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形態 | 扁平な円柱形で体長3〜4cm。背面は緑灰色で数本の濃色の縦線を有する。腹面は暗灰色。頭部には5対の眼がある。前吸盤の口には顎が発達し、縁にあるノコギリ状の歯状突起を用いて動物の皮膚を破り吸血する。 |
分布 | 極東ロシア、中国、韓国、台湾、日本の各地の水田や池沼に生息する。 |
生態的特性 | 水田や池沼の水中に生息し、扁平な身体を縦に波立たせて泳ぐ。ほ乳類の皮膚に取り付き吸血する。このため、古くからおできを吸い出すための民間医療に用いられていた。 |
生息地の現状 | 水田耕作に家畜を利用しなくなったことや農薬等の使用により、餌環境や生息環境が劣化している。 |
生存に対する脅威 | 吸血するほ乳類がいなくなったこと。 |
必要な保全対策 | 牛や馬を用いた伝統的な水田耕作の保存。 |
改訂の理由 | 最近は府内のみならず全国的にも記録が途絶えつつあるため絶滅が危惧される段階になったと判断された。 |
文献 上野(編)(1973)
執筆者 竹門康弘
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