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エビ目 イワガニ科
モクズガニ
京都府カテゴリー | 要注目種 |
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2002年版 | 準絶滅危惧種 2002年版を参照する |
環境省カテゴリー | なし |
選定理由 | 府内での報告例が少なく、生息数も減少していると考えられる。 |
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形態 | 甲幅85mm。左右の第2胸脚に褐色の長い毛の束がある。胸甲は丸みのある四角形で、隆起がみられる。 |
分布 | 樺太、ウラジオストック、韓国、日本各地、台湾、香港に分布し、府内では淀川水系ならびに若狭湾、丹後半島の河川に分布する。 |
生態的特性 | 生活史の大部分を淡水域で生活するが、幼生が海水でないと育たないため、メスは産卵のために川を下り、海へ降河する。降河せず、上流部の川や湖にずっととどまる個体もいる。稚ガニは河口付近で定着し、上流に向かって遡上する。 |
生息地の現状 | 府内での報告例が少なく、生息数も少ないと考えられてきたが、淀川水系では、木津川、宇治川、桂川、賀茂川でほぼ毎年溯上個体や生息個体が確認されるようになった。 |
生存に対する脅威 | 河川改修による生息地の破壊や、えん堤、ダム等の障害物により本種の遡上が阻害されること、およびチュウゴクモクズガニが人為的に導入され、本種の生存が脅かされることが懸念される。 |
必要な保全対策 | 垂直壁の落差が大きい堰堤などでは、溯上阻害を軽減するための魚道設置や堰堤の改良を行う必要がある。 |
改訂の理由 | 淀川水系では、木津川、宇治川、桂川、賀茂川でほぼ毎年溯上個体や生息個体が確認されるようになった。こうした現状を鑑みて、準絶滅危惧種から要注目種に変更するものとした。 |
その他 | 日本固有種 |
文献 岡田ほか(監)(1965)、鈴木、佐藤(1994)、武田(1982)、西野(編)(1993)
執筆者 竹門康弘
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