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エビ目 ヌマエビ科
ヌマエビ
京都府カテゴリー | 絶滅危惧種 |
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2002年版 | 準絶滅危惧種 2002年版を参照する |
環境省カテゴリー | なし |
選定理由 | 抱卵数と卵サイズに地理変異があり、地域個体群間での遺伝的分化が進んでいる。また、農薬に対する感受性が高いと考えられ、数が全国的に減少している。 |
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形態 | オスの体長20mm、メスの体長23mmで、体色は緑色~緑灰色。眼上刺をもつが、鰓前刺、肝上刺はない。額角は細長く、上縁に14~34歯の細かい歯がある。 |
分布 | 本州、四国、九州、沖縄に分布し、府内では深泥池と宝ヶ池で採集された(1978年)。また、近年には、賀茂川の上賀茂と高野川の下鴨で確認されている。 |
生態的特性 | 本種は繁殖の際に、卵から孵化した幼生が一旦プランクトン生活をしてから着底する。このため、生活史の一部でプランクトンの生息できる止水環境が必要である。 |
生息地の現状 | 1998年以降、深泥池と宝ヶ池ではカワリヌマエビ属の一種に置き換わっている。深泥池では、毎年底生動物のモニタリング調査が行われているが、採集されるのはカワリヌマエビ属のみであり、本種の生息は確認されていない。いっぽう、賀茂川と高野川では、河床に地下水が湧出するワンドでのみ採集される。 |
生存に対する脅威 | 別亜種のヌカエビは農薬に対する感受性が高く、農薬のバイオアッセイに用いられており、本種も同様に農薬に対する感受性が高いと考えられる。また池岸の改変、土砂や有害物質の流入および水質悪化による影響も懸念される。また、河川改修によって地下水の湧出するワンドが消失しつつある。 |
必要な保全対策 | 河川や湖沼への農薬の流入を防ぐ対策が必要である。賀茂川や高野川の個体群を維持するためには、湧水の湧き出るワンドの保全が重要である。河床掘削や河床整斉によってワンドが失われないように工夫する必要がある。 |
改訂の理由 | もともと全国的に減少していたことに加えて、各地で中国・韓国・台湾原産のカワリヌマエビ属の亜種群に置き換わっていることから、生息地や個体数がさらに減少しており絶滅が危惧される。 |
その他 | 日本固有種 |
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