選定理由 | 個体数が少ない越冬個体群として準絶滅危惧種と判断した。 |
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形態 | 全長45cm。オスの頭部は三角形で緑色光沢のある黒、嘴の基部近くに白い丸い斑がある。飛翔時には、雨覆の白と風切羽の黒とのコントラストが明瞭。メスは頭部は褐色で白い首輪がある。 |
分布 | ユーラシア大陸および北米大陸北部で繁殖し、日本には冬鳥として九州北部に渡来し、河口、内湾、沿岸、湖沼、河川などに生息する。 ◎府内の分布区域 北部地域の海域。 |
生態的特性 | 潜って軟体動物、甲殻類、小魚などを捕食する。繁殖期は森林内の餌が豊富な湖沼に生息する。樹洞で営巣し、巣箱も利用する。メスの帰巣性が強く、前年の同じ巣に戻ることも多い。 |
生息地の現状 | 京都府・滋賀県・大阪府では1桁から2桁の越冬数であり、個体数は少ない。1998年1月の北部沿岸調査で19羽が確認されている。 |
生存に対する脅威 | レジャーや河川改修で生息環境が悪化することが指摘されている。 |
必要な保全対策 | 越冬環境を詳細に把握する必要がある。 |
改訂の理由 | 本来は前回、準絶滅危惧種相当であったが、データの見落としにより掲載されなかったため。 |
文献 江崎、和田(編)(2002)、日高(監)(1996)、京都府(1998)、真木、大西(2000)、高野(1982)
執筆者 須川恒、中村桂子