選定理由 | 留鳥として年中府内に生息する。繁殖個体数は少ないが、近年減少はしていない。 |
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形態 | 全長20cm。頭上から体の上面が灰黒褐色で、飛翔時に翼には明瞭な白帯が出る。腹部の白色が翼のつけ根の前に食い込んでいる。 |
分布 | 極北を除くユーラシア大陸で広く繁殖する。冬は南日本から、オーストラリアや東南アジアへ渡って越冬する。日本全国に分布する。本州中部以北では夏鳥で、他では留鳥。府内では冬期に個体数が増加するが、繁殖期にも少数が生息しており、近年木津川において繁殖が確認された。 ◎府内の分布区域 全域。 |
生態的特性 | 海岸や湖岸、川岸で営巣する。主として水生昆虫を採食する。 |
生息地の現状 | 府内では河川や海岸、平地のため池などに周年出現する。本種の確実な繁殖記録として、木津川において2002年6月に親鳥について歩く雛3羽、2003年6月に抱卵中の成鳥1羽の確認例がある(脇坂、中川 2005)。 |
生存に対する脅威 | 特に雛の時期の捕食者。 |
必要な保全対策 | 他の地域でも繁殖しているものと思われ、府内の繁殖状況を詳細に把握することが必要である。 |
文献 日高(監)(1996)、京都府(1993)、真木、大西(2000)、高野(1982)、脇坂、中川(2005)
執筆者 須川恒、脇坂英弥