選定理由 | 冬鳥として府内で越冬する。越冬個体数は少ないが、近年減少はしていない。 |
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形態 | 全長43cm。体は少し丸く、嘴は小さく、尾は比較的長くて尖っている小型の海ガモ。オスの頭、背、胸、腹は紫黒色。顔の前半、目の後方などに白斑があり、脇は赤栗色。メスは全体が灰黒褐色。 |
分布 | 本州北部の山間で少数が繁殖するが、主に冬鳥として本州中部以北の岩の多い海岸に渡来する。府内では宮津湾や丹後半島で確認されている。 ◎府内の分布区域 北部地域の海域。 |
生態的特性 | 繁殖地のカムチャツカでは、流れの速い、礫のある川だけで繁殖している。8月末から10月末にかけて越冬地へ南下が見られる。冬期は波の荒い岩礁の上で小群で過ごし、潜って小型甲殻類や軟体動物などを採食する。 |
生息地の現状 | 1997年1月のナホトカ号重油流出事故の際には油汚染された個体が確認され、翌年の事後調査では19羽が観察された。 |
生存に対する脅威 | 重油事故が脅威となる。 |
必要な保全対策 | 北部地域の海域における現状を把握するために、海上調査を系統的に行う必要がある。 |
文献 日高(監)(1996)、京都府(1998)、ロプコフ(1988)、真木、大西(2000)、高野(1982)
執筆者 須川恒、和田岳