選定理由 | 春秋の渡りの時期に旅鳥として府内に滞在する。滞在する個体数は少なく、近年減少している。 |
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形態 | 全長19cm。オスは白い頭、赤茶色の頬、紫色の光沢のある黒い背、翼の肩に白斑があり、淡褐色の腰が目立つ。メスでは頭部から下面が灰白色。 ◎近似種との区別 ムクドリの腰は白く、嘴と足は黄色。 |
分布 | 本州中部からサハリン(樺太)南部にかけて繁殖し、冬はフィリピンやボルネオなどに渡る。国内では夏鳥として本州中部以北へ渡来する。府内へは旅鳥として少数が渡来する。 ◎府内の分布区域 全域。 |
生態的特性 | 繁殖地では平地や低山地の林や村落など人家近くに生息する。昆虫や果実を採食する。樹洞や建物の隙間を巣とし、一腹4~6卵を産む。 |
生息地の現状 | 府内では4月中旬~5月上旬に山麓、及び平野の落葉広葉樹に数羽~10数羽の群れが観察される。秋の渡りは8月中旬~10月上旬頃でムクドリの群れに混じることがある。中下流の河川敷内のヤナギ林、周囲に木の多い耕地、市街地の緑地などで観察される。観察例は多くはなかったが、近年さらに減少している。 |
必要な保全対策 | 河川敷内のヤナギ林などの適切な保全が大切である。 |
文献 日高(監)(1997)、黒田(編・監)(1984)、京都府(1993)、真木、大西(2000)、高野(1982)
執筆者 須川恒、和田岳