選定理由 | 留鳥として年中府内に生息する。個体数は少ない状態と判断した。近年減少はしていない。 |
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形態 | 全長14cm。嘴は細くて下へ曲がり、尾は細くて先が尖る。足は細いが強く、足指が長い。体の上面は茶褐色と白の縦縞、眉斑は白く過眼線が褐色。下面は白い。飛ぶと翼に黄褐色の細い線が出る。雌雄同色。 |
分布 | ユーラシア大陸や北アメリカ大陸の中緯度地帯に分布する。国内では留鳥として、九州より北に分布。府内では局所的に周年生息している。 ◎府内の分布区域 全域(局所的)。 |
生態的特性 | 亜高山帯の針葉樹林や落葉広葉樹林に生息する。ほぼ年間を通して繁殖地に留まる。食物は主に、鱗翅類・甲虫類などの昆虫やクモ類である。巣は幹の裂け目、樹洞につくるほか、巣箱を利用することもある。一腹卵数は4~5卵で、メスが約14日抱卵し、約14日で巣立つ。非繁殖期はカラ類の混群に混じることがある。 |
生息地の現状 | 府内では芦生、愛宕山、比叡山などに周年生息するが、局所的で個体数は極めて少ない。ブナやミズナラなどの落葉広葉樹林、スギやモミなどの古木のある混交林に生息している。 |
生存に対する脅威 | 林道建設などによる森林の縮小化や分断化の影響を受けると思われる。 |
必要な保全対策 | ブナ、ミズナラの落葉広葉樹林の保全。 |
改訂の理由 | 極めて少ないと判断していたが、比較的確認記録もあり、少ないと判断しなおした。 |
文献 日高(監)(1997)、京都府(1993)、真木、大西(2000)、高野(1982)
執筆者 須川恒、中村桂子