選定理由 | 夏鳥として府内に生息して繁殖する。繁殖個体数は少ないが、近年減少はしていない。 |
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形態 | 全長14cm。他の小型ツグミ類ほど姿勢が直立していない。オスは上面が暗青色であり、目先、喉の両側は黒く、下面が白い。メスは上面がオリーブ褐色で尾には少し青みがある。幼鳥は頭部がオリーブ褐色。 ◎近似種との区別 ルリビタキの脇は橙色。 |
分布 | 夏鳥として本州中部以北、西日本の一部に渡来する。越冬地は、インドのアッサム地方から東南アジア。府内にも夏鳥として渡来し、大江山、芦生、八丁平で繁殖していると思われる。 ◎府内の分布区域 全域。 |
生態的特性 | 広葉樹林や混交林に生息し、主として昆虫食。繁殖期は4~7月。一夫一妻で繁殖し、なわばりは約1ha。巣は地上のくぼみにつくり、一腹卵数は4~6卵。メスのみが抱卵し、雛は約2週間でふ化し、約14日で巣立つ。 |
生息地の現状 | 府内では山地のササが繁茂した落葉広葉樹林に少数が生息する。芦生の繁殖群は減少傾向である。 |
生存に対する脅威 | 八丁平における林道建設、大江山における森林伐採、あるいはシカ害が生息の脅威となる可能性がある。 |
必要な保全対策 | 繁殖環境の詳細な把握が必要である。 |
改訂の理由 | 極めて少数でなく、少数が夏期に生息しているため改訂した。 |
文献 日高(監)(1997)、京都府(1993)、真木、大西(2000)、高野(1982)
執筆者 須川恒、中村桂子