選定理由 | 留鳥として年中府内に生息する。個体数は少なく、近年減少している。 |
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形態 | 全長38cm。カワセミ類の中で日本では最も大きく、冠羽が目立つ。体の上面は白と黒のまだらで、オスは胸に黄褐色の帯と黒い斑点があり、メスでは黒斑が帯状にある。 |
分布 | 留鳥として離島を除く全国に生息する。府内では少数が主な河川の山間部に生息し、冬期は市街地近くの河川でも観察されることがある。 ◎府内の分布区域 全域。 |
生態的特性 | 川沿いの決まった枝に止まり、魚を見つけるとダイビングして捕らえる。崖に直径約10cm、深さ約1mの横穴を掘って営巣する。繁殖期は3~8月。抱卵期間は約35日。育雛期間は約35日。 |
生息地の現状 | 府内では由良川、安曇川、桂川の源流域などで少数が繁殖しているが近年減少している。 |
生存に対する脅威 | ダム湖の開発、河川改修や川岸の道路建設などにより、ヤマセミの採食環境として重要な大きな淵、止まり場となる樹木のセットが破壊されてきたことが主な原因と思われる。 |
必要な保全対策 | 1970年代の北山地域におけるヤマセミの巣の分布調査の結果(西村1979)と、現在の分布を比較・分析することで、今後の保全方針を検討する必要がある。 |
文献 日高(監)(1997)、京都府(1993)、真木、大西(2000)、西村(1979)、高野(1982)
執筆者 須川恒、和田岳