選定理由 | 夏鳥として府内に生息して繁殖する。繁殖個体数は少なく、近年減少している。 |
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形態 | 全長29cm。体は灰白色、褐色、黒、白の複雑な虫食い状の枯葉模様で、肩羽の灰白色が少し目立つ。オスでは目の下、喉、翼の先、外側尾羽の先に白斑があるが、メスでは外側尾羽の白斑はなく、翼や喉の白斑は小さくて不明瞭。 |
分布 | 夏鳥として九州以北へ渡来する。伊豆諸島や南西諸島では旅鳥。東南アジアに渡って越冬する。府内へも夏鳥として少数が全域に渡来する。 ◎府内の分布区域 全域。 |
生態的特性 | 4月下旬から渡来し、夜に「キョキョキョキョキョ」と特徴的な鳴き声が聞かれるようになる。疎林、森林内の伐採地、農耕地内の残存林などに生息する。夜行性で、主に飛びながら昆虫を捕らえる。6月に地上で産卵する。一腹卵数は2卵で、雌雄交代で抱卵し、約19日間でふ化する |
生息地の現状 | 京都府を含め全国的に渡来数が減少している。京都市市街地周辺でもかつては普通に見られたが、極めて少なくなっている。 |
生存に対する脅威 | 地上で営巣するため、ノネコなど地上性の捕食者の増加が影響している可能性がある。また、越冬地である東南アジアにおける広域的森林伐採なども影響しているものと思われる。 |
必要な保全対策 | 営巣地情報の収集が必要である。 |
文献 日高(監)(1997)、京都府(1993)、真木、大西(2000)、高野(1982)
執筆者 須川恒、和田岳