選定理由 | 夏鳥として府内に生息して繁殖する。繁殖個体数は少ないが、近年減少はしていない。 |
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形態 | 全長32cm。頭上と体の上面は光沢のある黒、尾は灰褐色と黒の横帯。下面は橙黄色で腹に近いほど淡くなる。 ◎近似種との区別 成鳥はハイタカのオスに似るが、小型のタカは翼の先が尖ってない。 |
分布 | 夏鳥として北海道から九州にかけて渡来し、標高の高い山地にも生息する。府内では極めて少数が山地に夏鳥として渡来する。 ◎府内の分布区域 全域。 |
生態的特性 | 主として樹冠部で昆虫を採食し、特に毛虫を好んで食べる。主にコルリ、ルリビタキ、オオルリの巣に托卵する。産卵期は主に6月上旬~7月上旬である。 |
生息地の現状 | 府内では、広い老熟した落葉広葉樹がある芦生、大江山、八丁平などへ夏鳥として渡来する。芦生、大江山、八丁平にはコルリが生息しているので、コルリに托卵している可能性は高いが、コルリがいない林でも6~7月にさえずりが聞かれることから、オオルリ、キビタキなどにも托卵しているものと思われる。 |
生存に対する脅威 | 老熟した落葉広葉樹林が、様々な理由で小規模化することにより、生息環境が悪化しているものと思われる。 |
改訂の理由 | 京都北山などでは少数ながら確認例があり極めて少なくはないので改訂した。 |
文献 日高(監)(1996)、京都府(1993)、真木、大西(2000)、高野(1982)
執筆者 須川恒、中村桂子