選定理由 | 留鳥として年中府内に生息する。個体数は少ないが、近年減少はしていない。 |
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形態 | 全長33cm。体は緑色で額から前頸、胸は黄色味が強く、腹は白くて脇から下尾筒には黒緑色の縦斑がある。オスの小雨覆は栗茶色。 ◎近似種との区別 奄美大島以南に生息するズアカアオバトは黄色味が少なく腹は緑色。 |
分布 | 北海道では夏鳥、本州以南では留鳥または漂鳥として繁殖し、北部のものは冬期には南へ移動する。南西諸島では冬鳥。府内では、山地で繁殖するほか、冬には平地でも観察される。 ◎府内の分布区域 全域。 |
生態的特性 | 丘陵地から山地の森林に生息し、主に樹上で果実を採食する。春から秋に群れで海岸の岩礁に飛来し海水を飲む習性が知られている。 |
生息地の現状 | 府内では、芦生、八丁平、比叡山、丹後半島の落葉広葉樹林に積雪期を除いて生息し、冬期は京都市内でも観察される。営巣地として重要なのは、落葉広葉樹林がまとまって分布している地域と考えられる。 |
生存に対する脅威 | まとまった面積の落葉広葉樹林は、林道建設などによって減少傾向にある。 |
必要な保全対策 | 持続的に落葉広葉樹林が保全されるようにする必要がある。 |
改訂の理由 | 少ないながら観察例が増えており、極めて少ないとの判断を改訂した。 |
文献 日高(監)(1997)、京都府(1993)、真木、大西(2000)、高野(1982)
執筆者 須川恒、中村桂子