選定理由 | 春秋の渡りの時期に旅鳥として府内に滞在する。滞在する個体数は極めて少ないが、近年減少はしていない。 |
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形態 | 全長39cm。オスの夏羽では頭部から胸は赤褐色。上尾筒と尾は白くて尾の先は黒い。飛翔時には黒い風切羽に幅の広い白帯が出る。嘴は真っ直ぐで先は黒く基部は淡紅色。足は黒い。 |
分布 | ユーラシア大陸の中緯度北部で繁殖し、冬はオーストラリアや東南アジアへ渡る。国内では旅鳥として全国に渡来する。府内では極めて少数が巨椋干拓地などに渡来する。 ◎府内の分布区域 南部地域。 |
生態的特性 | 渡りの時期に海岸や湖岸の干潟、河口、ため池などの砂泥地に現れ、泥の中のミミズなど小型無脊椎動物を採食する。繁殖地では湖沼や川の周辺の荒野、牧草地などの地上にくぼみをつくって皿形の巣をつくる。一腹3~4卵を産み、雌雄が抱卵や世話をする。 |
生息地の現状 | 府内では春より秋に多く、刈り取りの終わった田や休耕田、河川敷内の草地などで数羽の小群が観察される。 |
生存に対する脅威 | 河川改修、水田の圃場整備などによる湿地の破壊が進むと、個体数が減少するおそれがある。 |
必要な保全対策 | 河川敷や水田の湿地環境保全の観点からの施策が重要である。 |
文献 日高(監)(1996)、京都府(1993)、真木、大西(2000)、高野(1982)
執筆者 須川恒、和田岳