選定理由 | 春秋の渡りの時期に旅鳥として府内に滞在する。滞在する個体数は極めて少ないが、近年減少はしていない。 |
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形態 | 全長25cm。嘴は細くて、足は非常に長い。顔から胸は白地に黒褐色の斑点が縦に並び、腹は白い。下背から上尾筒は白い。翼の下面は風切羽が黒くて下雨覆は白く見える。足はオリーブ緑色。 |
分布 | 中央アジアなどで繁殖し、冬はオーストラリアやインドなどへ渡る。旅鳥として日本全国に渡来し、国内で越冬する個体もいる。府内では春より秋の方が多いが、滞在する個体数は極めて少ない。 ◎府内の分布区域 北部地域、南部地域 |
生態的特性 | 干潟に出ることは少なく、内陸部の水田や河川などの湿地に出現することが多い。水面近くの小型の昆虫やエビなどを採食する。湖沼や湿地の周辺で枯れ草を集めて巣をつくる。小さな集団営巣地をつくる。 |
生息地の現状 | 府内では8月中旬~9月上旬頃にアオアシシギの群れに混ざっていたり、単独または2~3羽で観察される。極めて少ないが、巨椋干拓地では近年毎年観察される。河口や中下流域の河川の岸辺、耕作中の畑地や代かき中の水田に出現する。 |
生存に対する脅威 | 河川改修、水田の圃場整備、道路建設などによる農耕地の分断化などが、生息数に影響する可能性がある。 |
必要な保全対策 | 生息環境のモニタリングを進め保全課題を明らかにする必要がある。 |
文献 京都府(1993)、真木、大西(2000)、高野(1982)
執筆者 須川恒、和田岳