選定理由 | 春秋の渡りの時期に旅鳥として府内に滞在する。滞在する個体数は極めて少ないが、近年減少はしていない。 |
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形態 | 全長33cm。嘴は細くて長く、足も長い。夏羽では全体がすすけた黒色で、目の縁は白く、体の上面の羽毛には白い羽縁と斑点がある。飛翔時には背の中央と腰が白い。冬羽では頭上は灰色で黒い縦斑があり、体の上面も灰色である。 |
分布 | ユーラシア大陸北部で繁殖し、冬は東南アジアやアフリカ大陸に渡る。旅鳥として日本全国に渡来する。日本へ渡来する時期は早く、2月には第1陣が見られ、地方によって春を告げる鳥となっている。府内においては、巨椋干拓地などで観察され、国内の他の地域と同じく春の観察例が多い。 ◎府内の分布区域 南部地域。 |
生態的特性 | 水田や沼など内陸の湿地を好み、昆虫やミミズ、小魚、カエル、カニなどを採食する。巣はツンドラの湿原に枯れ草を集めてつくり、一腹4卵を産む。 |
生息地の現状 | 府内では3月中旬~4月上旬頃に最も多く、秋には9~10月に現れるが少ない。泥質の多い河川の中流域、代かき中や田植え直後の水田、休耕田、浅い水辺、草地などで1~数羽が観察される。 |
生存に対する脅威 | 圃場整備などによる餌動物の減少が生息数に影響する可能性がある。 |
必要な保全対策 | 生物多様性の配慮した水田経営が大切である。 |
文献 日高(監)(1996)、京都府(1993)、真木、大西(2000)、高野(1982)
執筆者 須川恒、和田岳