選定理由 | 冬鳥として府内で越冬する。越冬個体数は極めて少ないが、近年減少はしていない。 |
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形態 | 全長15cm。夏羽では頭上から体の上面は黒い軸斑と黄褐色の羽縁が明瞭、胸は黄褐色に黒い縦斑があり、腹は白い。飛翔時には翼に白帯が出て尾羽の外側は白い。嘴は黒く、足は黄緑色。 ◎近似種との区別 トウネンの足は黒色。 |
分布 | ユーラシア大陸北部で繁殖し、インドや東南アジアで越冬する。国内では旅鳥として九州以北に少数が渡来し、越冬する個体もいる。府内では春秋の渡り期に少数が、冬期に極めて少数が確認されている。 ◎府内の分布区域 南部地域。 |
生態的特性 | 水田や干拓地、河川の河口部などに出現する。繁殖期には昆虫、非繁殖期には甲殻類やゴカイなどの小動物などを採食する。巣はヤナギなどの根元につくり、一腹4卵を産む。一腹目はオスが、二腹を産む場合はメスが抱卵する。 |
生息地の現状 | 府内では春秋の渡り期に、泥質の多い中流域の河川、代かき中の水田や休耕田に少数が出現し、冬期には極めて少数が水を抜いたため池などで越冬する。 |
生存に対する脅威 | よい越冬地となるかどうかはため池の管理法によることが大きい。 |
必要な保全対策 | 越冬しやすいため池の管理が重要である。 |
文献 日高(監)(1996)、黒田(編・監)(1984)、京都府(1993)、真木、大西(2000)、高野(1982)
執筆者 須川恒、和田岳