選定理由 | 春秋の渡りの時期に旅鳥として府内に滞在する。滞在する個体数は少なく、近年減少している。 |
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形態 | 全長15cm。比較的嘴の太い小型のシギ。夏羽では顔から頸は赤褐色。頭上から体の上面は赤褐色で黒い軸斑と白い羽縁が出る。飛翔時には翼に細い白帯が出る。冬が上面が褐色で黒い軸斑があり、胸側に褐色斑。幼鳥は冬羽に似る。嘴と足は黒い。 |
分布 | ユーラシア大陸とアラスカ北部で繁殖し、東南アジアやオセアニアの海岸部で越冬する。旅鳥として日本全国へ渡来し、九州南部で少数が越冬する。府内では旅鳥として少数が渡来する。 ◎府内の分布区域 南部地域。 |
生態的特性 | 渡りの時期には干潟や、砂浜、内陸の湿地などに大群で渡来することがある。ゴカイや甲殻類を採食する。ツンドラの草地や苔地に皿形の巣をつくり、一腹4卵を産む。「チュル、チュル」と鳴く。 |
生息地の現状 | 府内では泥質の多い中流域の河川敷、代かき中の水田、休耕田などに出現するが、近年減少している。 |
生存に対する脅威 | 水田の圃場整備などによる餌の減少や、国内の干潟減少の影響などが府内の渡来数の減少に関係しているものと思われる。 |
必要な保全対策 | 生息環境のモニタリングを進め保全課題を明らかにする必要がある。 |
文献 日高(監)(1996)、京都府(1993)、真木、大西(2000)、高野(1982)
執筆者 須川恒、和田岳