選定理由 | 夏鳥として府内に生息して繁殖する。繁殖個体数は少なく、近年減少している。 |
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形態 | 全長23cm。前頭、頬、前頸、上腹は赤茶色で、後頸、背、翼は暗緑褐色。脇、下腹、下尾筒には白と黒の横斑がある。嘴は緑褐色で、足は赤色。 ◎近似種との区別 クイナは顔から胸が灰青色で上面に黒色縦斑があり、嘴が長い。 |
分布 | 夏鳥として全国に渡来して繁殖する。本州以南では少数が越冬する。府内でも夏鳥として渡来するが、まれに越冬することもある。 ◎府内の分布区域 北部地域、南部地域。 |
生態的特性 | 平地や低山の水田や河川、湿地に生息する。水生昆虫、軟体動物、植物の種子などを食べる。繁殖期は5~9月で、イネや草の中に水草の葉や根などで巣をつくる。一腹卵数は4~9卵で、雌雄交代で抱卵し約20日でふ化する。繁殖期以外は単独で行動する。「コッコッ」と次第にテンポが速くなる声で鳴く。 |
生息地の現状 | 府内では、近年個体数が減少している。岩倉盆地では比較的広かった水田地帯が住宅地と変わって生息地が失われた。 |
生存に対する脅威 | まとまった面積の水田が住宅地等へ変わることに加え、水田の圃場整備などによる環境改変も影響しているものと思われる。 |
必要な保全対策 | 圃場整備の手法について見なおす必要がある。 |
文献 日高(監)(1996)、黒田(編・監)(1984)、京都府(1993)、真木、大西(2000)、高野(1982)
執筆者 須川恒、和田岳