選定理由 | 冬鳥として府内で越冬する。越冬個体数は極めて少ないが、近年減少はしていない。 |
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形態 | 全長オス28cm、メス31cm。オスは頭上から体の上面が青灰色で、尾の先端には黒帯がある。メスの体の上面は灰色味のある褐色で、尾には数本の黒帯があり、体の下面は白くて胸には黒い縦斑、腹には三日月斑がある。 ◎近似種との区別 尾はチョウゲンボウより短く、チゴハヤブサより長い。 |
分布 | 国内には冬鳥として少数が渡来する。府内では巨椋干拓地などでごく少数が越冬する。 ◎府内の分布区域 南部地域。 |
生態的特性 | 海岸に近い荒野、沼沢地、干拓地などの開けた場所に生息し、小鳥や時にはシギ・チドリ類などを捕食する。ユーラシア大陸中央部の営巣地では、単独つがいで営巣し、地上に小枝などを敷いて巣をつくり、一腹4~5卵を産む。 |
生息地の現状 | 広々した農耕地や木津川などの河川敷に出現する。 |
生存に対する脅威 | 農耕地が道路建設等により縮小・分断化しつつあり、生息環境は悪化しているものと思われる。 |
必要な保全対策 | 主な越冬地である巨椋干拓地や木津川の自然環境の保全を進めるべきである。 |
文献 黒田(編・監)(1984)、京都府(1993)、高野(1982)
執筆者 須川恒、和田岳