選定理由 | 冬鳥として府内で越冬する。越冬個体数は少なく、近年減少している。 |
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形態 | 全長オス48cm、メス58cm。翼開長113~137cm。雌雄とも色彩による変異が大きい。オスは頭部が灰色で淡褐色の縦斑のあるものと、黒色縦斑が密にあり黒く見えるものがいる。メスは全体に褐色で、腰の部分に目立つ斑紋があるものとないものがある。 ◎近似種との区別 ハイイロチュウヒのメスや幼鳥には翼や尾に明瞭な黒色横斑がある。 |
分布 | 北海道と本州中部以北で少数が繁殖するほか、冬期にはシベリア、極東から多数が渡来する。府内では冬鳥として少数が渡来する。 ◎府内の分布区域 南部地域。 |
生態的特性 | 繁殖環境は広いヨシ原が多く、非繁殖期はヨシ原および周辺の農耕地などを主な採食地とする。野ネズミやカエルを捕食する。ヨシ原内の地上に巣をつくり、一腹5~6卵を産み、31~38日間抱卵する。ふ化後5週間で巣立つ。冬期は群れで就塒する習性がある。 |
生息地の現状 | 巨椋干拓地や宇治川や木津川などで少数が越冬する。ハイイロチュウヒより湿ったヨシ原を中心に出現する。 |
生存に対する脅威 | 巨椋干拓地は、圃場整備や道路建設等により環境が大きく変わろうとしている。 |
必要な保全対策 | 巨椋干拓地や、宇治川などの河川敷といった主要な越冬地の保全の必要がある。 |
文献 日高(監)(1996)、京都府(1993)、日本野鳥の会京都支部(2013a)、高野(1982)
執筆者 須川恒、和田岳