選定理由 | 留鳥として年中府内に生息する。個体数は少なく、近年減少している。 |
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形態 | 全長オス72cm、メス80cm。翼開長140~165cm。翼の幅は広くて先端は指状に開き、後縁には膨らみがある。尾は長めで幅が広い。後頭の羽毛は少し長くて冠羽状になる。 |
分布 | 東南アジアの森林地帯を主な生息地とし、日本は分布の北限に近い。国内の山岳部の森林帯に生息し、府内の森林にも少数が生息する。 ◎府内の分布区域 全域。 |
生態的特性 | 比較的険しい山地に生息し、森林内の急斜面にある大きな樹木に営巣する。森の中に住む様々な中小型の動物を獲物として、森林内のけもの道や林縁で狩りを行う。主な餌はノウサギ、ヤマドリ、ヘビなどである。1月になるとディスプレイ行動と並行して巣づくりが開始される。産卵期は3~4月。一腹卵数は1卵。主にメスが約1か月半抱卵し、7~8月頃に巣立つ。巣立ち後の幼鳥は遠方まで行動圏を広げず、翌年の春でも巣から半径1km以内に滞在している。 |
生息地の現状 | 北山の比較的険しい地域で、少数が繁殖している。個体数が減少傾向にある上に、繁殖成功率が低下しており、将来激減するおそれがある。 |
生存に対する脅威 | 広域林道建設とその後の支道建設に伴う森林伐採などが影響している可能性がある。 |
必要な保全対策 | 府内の繁殖環境の情報を詳細に把握する必要がある。 |
関係法令 | 絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(国内希少野生動植物種) |
文献 日高(監)(1996)、京都府(1993)、高野(1982)
執筆者 須川恒、和田岳