選定理由 | 冬鳥として府内で越冬する。越冬個体数は極めて少ないが、近年減少はしていない。 |
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形態 | 全長オス43cm、メス53cm。翼開長99~124cm。オスは頭部と体と尾が明るい灰色で、胸と腹は白く、上尾筒も白い。飛翔中、初列風切6枚は黒い。メスや幼鳥では頭部や体の下面は淡褐色の地に黒褐色の縦斑がある。 ◎近似種との区別 チュウヒのオスは頭部や背に褐色や黒色の斑がある。メスや幼鳥は褐色味が強くて、翼の下面に横斑はない。 |
分布 | ユーラシア大陸と北アメリカ大陸北部で繁殖し、ほぼ日本全国に冬鳥として渡来する。府内では極めて少数が越冬する。 ◎府内の分布区域 南部地域。 |
生態的特性 | 冬期にはチュウヒよりやや乾燥した草原や湿地に生息し、野ネズミや小鳥、カエルなどを捕食する。草やヨシの上を低く飛ぶことが多い。 |
生息地の現状 | 巨椋干拓地や木津川、宇治川などで極めて少数が越冬する。 |
生存に対する脅威 | 巨椋干拓地では、圃場整備や道路建設等により環境が大きく変わろうとしている。 |
必要な保全対策 | 巨椋干拓地や木津川などの河川敷といった主要な越冬地の保全が必要である。 |
文献 日高(監)(1996)、京都府(1993)、日本野鳥の会京都支部(2013a)、高野(1982)
執筆者 須川恒、和田岳